仕事の種類
日雇い派遣の仕事はご存知の通り、肉体労働が主です。
同じ職種でも派遣先の会社によって段取りが微妙に違います。
毎日環境が違うところで怒りっぽい派遣先の人を相手に
その日の仕事を覚える派遣労働はある程度の順応性を必要とします。

アルバイト   

日雇い派遣に登録していると日々、色んな仕事が舞い込んできます。
世間がイメージとして持っているのは「日雇い人夫」そのもの、といった感じだと思います。確かに仕事を貰う方法などは「日雇い人夫」と似たようなものなんですが、仕事内容は多岐にわたり、特に最近ではもう「なんでも屋」に近いようなものになっています。

今まで経験した総ての仕事を紹介するとキリがないので、ここでは主なものを選んで紹介したいと思います。

事務所移転
企業などの事務所の引っ越し作業です。
派遣先の業者は主に運送屋で気さくな人が多く、サボらず真面目にやれば割と働きやすい現場である事が多いです。
荷物はダンボールの他、ロッカー、机などが多く、一見すると大変そうですが、事務所の移転の場合はほとんどの場所でエレベーターがあり、台車もたくさん用意されている事も多いので、肉体的には楽な現場です。
場所により、荷物が少なければ昼過ぎに仕事が終わる事もあり、人気度は高い仕事です。
ただ、大抵の場合、移転する側の企業がよこしたスーツを着た者が指示役として現場にいます。
その指示役のスーツが使えない者だと悲惨です。搬入はプロに任せて場所だけ指示すればいいものを、段取りにまで口を挟む者が少なからずいます。
一度、そういう現場で量的には15:00には終われる程度の荷物で 22:00までかかった事がありました。
現場に行って上から目線のスーツがいたら早く帰れるという希望は捨てましょう。
配送助手
主に業務用機器など、一人で持つには重く、大きいものを配送する運送業者の助手です。
この仕事はドライバーとの相性が総ての為、好き嫌いが別れます。
大抵、ドライバーと2人一組で都内もしくは県内を一日ドライブします。
本編の仕事自体は30分〜1時間に一回、10分〜30分 の積み下ろしだけなので、肉体的には非常に楽です。
移動中に寝る事だけは御法度です。運送屋は基本的に気さくで話好きな人が多いのですが、短気な人も多いので寝ているところを見られるとその場で帰らされる事もあります。その場合、もちろんサインは貰えません。
引っ越し屋

日雇い派遣にとって、この仕事は鬼門です。
この引っ越し屋の仕事とは主に個人宅の引っ越し業務を指します。
運送屋が繁忙期だけ請け負ってする引っ越し業務はそんなに大変ではないのですが、「引っ越し専門」「引っ越しセンター」という名前の引っ越し専門業者の仕事は大変きつい場合が多いです。
引越しの仕事は通常、専門で一週間やってれば身体が慣れてキツくなくなるのですが、派遣の場合は急に一日だけ、しかもキツめの現場に突っ込まれます。しかも引っ越し業者にはやたらと専門用語が多いのです。
「キルと毛布を5枚、ジャバラ2枚、クラフト一本下から上げて。あとピーバンと玉」
初めて入った人はいきなりこんな事言われてもわかりません。そしてまごまごしていると
「あー、もういい!俺が行く。これ梱包して」
と、なんとなく怒られます。ちなみに、この資材の呼び方も業者によってそれぞれ微妙に違います。
引越しの現場はキツい順に団地、一軒家、単身となります。
派遣は作業員が足りなくなるから呼ばれるのです。作業員の頭数が一番欲しいのは団地です。つまり引っ越し屋の仕事が入り、現場に行くと高確率で団地だったりします。
団地とは多くの場合、県営や都営、または社宅などを指します。
ほとんどの団地はエレベーターがありません。しかも3階〜5階建てで、階段が馬鹿みたいに狭い場合が多いです。
そして、団地の人は大抵、何十年もそこに住んでいます。だから荷物が狂ったようにあります。マッチョな引っ越し専門業者によって凄い速さで流れてくる、尋常じゃない量の荷物を慣れていない派遣はゼーゼー言いながらリレーしなければいけません。

揚重
通称「荷揚げ屋」と呼ばれる仕事です。
以前は施工会社からの仕事がありましたが、現在は資材揚重の専門会社からくる仕事の事を指します。
規制が厳しくなる前はクレーンで上げられてくる石膏ボードを受け取る、というような仕事もありましたが、現在はヘルメットを被らなければいけないような現場には立ち入る事ができないため、荷揚げする資材はパーテーションパネルや床材など、主にオフィスの内装に使うものが主流です。
荷揚げ屋は資材破損をもっとも恐れるため、決して派遣に無茶はさせません。
「物を運ぶだけだろ。簡単じゃん」
経験の無い人はそう思うかもしれません。しかし、資材一つ一つに決められた持ち方があります。どんなに力持ちであろうと、変な持ち方をしていたらマジギレされます。破損を恐れている、という事もありますが、資材は大変重いため、大怪我をする可能性があるためです。
荷揚げが終わればその日の仕事は終了、というところと資材を入れたら職人の手元を手伝うところがあります。これは業者によって違います。
資材を入れて終わり、という業者の仕事は早い時には昼前に終わる事もあるため、人気の現場です。
派遣が受ける仕事の中で、もっとも短気な人間が多い職種でもあります。
倉庫
大きく分けて「出荷倉庫」と「保管倉庫」があります。
保管倉庫は物品の大掛かりなチェックの時などに派遣を呼ぶ事が多く、常駐で呼ぶ事はあまりありません。
派遣が呼ばれる時は多くの場合、どうにもならないほど忙しい時であり、パレット積みなどの力仕事もあるため、通常男性が呼ばれます。
揚重や事務所移転よりも汗をかく時もあります。
それに対し、出荷倉庫は慢性的に人手不足のため、多くの派遣労働者が常駐しています。倉庫内の労働者の半分以上が派遣労働者、という所も少なくありません。
ピッキング(出荷票に沿って商品を集荷)→検品→梱包→出荷
と、流れが決まっていて、少しでも慣れている人を求めている為、長期で働く人を求めています。単純作業であまり力を使わないため、女性が多く働いています。
しかし、同じ出荷倉庫でも運送屋と繋がりが深い倉庫は力仕事がメインです。場所によっては人間関係、肉体的にかなりキツイ所もあります。

搬入作業や移転作業は仕事がなければサインを貰って帰らせてもらえますが、倉庫はどこも、9:00〜17:00までキッチリ拘束されます。
どんなに仕事が無くなっても掃除などをやらされ、絶対に帰しては貰えません。そのためか、搬入作業に慣れた人の中には倉庫作業を嫌う人が少なくありません。
倉庫は、仕事量が許容範囲を超えている事が多いので、高確率で残業があります。
その他、歳暮や中元など季節限定で出荷倉庫となる場所もあります。
こういった臨時の出荷倉庫は設備が充分でないため、無駄にキツイ現場があったりします。
「明日は倉庫だからいいや」
と気合いを抜いて行ってみると上記の臨時の出荷で地獄を見る、という場合があるので気をつけましょう。

 
 

上に挙げた仕事はどこの派遣会社にもある、代表的な例です。
このほか、店舗内のレイアウト変更、家の掃除、イベントの係員、イベント会場の設営補助など。
変わったものになるとチケット取り、イベントのサクラなど。
あと、ごく最近定番となっているものに駐車違反対策、というものがあります。一昨年あたり、駐車禁止の取り締まりが厳しくなり、業務用車も対象にされてからの仕事です。
トイレと食事以外、ずっと助手席に座り続ける、という奇妙な仕事です。
     

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